子ガモは親の波に乗って「サーフィン」していた。抵抗ゼロの無賃乗車!
池や川でよく見かける、親ガモの後ろを一列になって泳ぐ子ガモたちの姿。あのかわいい行列には、実は生き残るための高度な物理学が隠されていました。なぜ彼らは横並びではなく、頑なに縦一列で泳ぐのでしょうか?研究チームは、この行動の流体力学的なメリットを解明しようと試みました。
研究者は、水槽内で親ガモと子ガモの模型を泳がせ、その周囲に発生する波や水流を精密に計算しました。親ガモが泳ぐときに作る波が、後ろに続く子ガモたちにどのような影響を与えるのか、様々な隊列パターンでシミュレーションを行いました。
解析の結果、親ガモの後ろには特定の波のパターンが発生しており、子ガモはその波の「波頂(一番高いところ)」にうまく乗ることで、サーフィンのように前へ押し出されていることが分かりました。これにより、子ガモが泳ぐときの水の抵抗は劇的に減少し、場合によっては抵抗がゼロ、あるいは逆に推力を得る(勝手に進む)ことさえありました。さらに、この波のエネルギーは後ろへ減衰せずに伝わるため、列の後ろにいる子ガモたちも同じ恩恵を受けられるのです。
あのかわいい行列は、実は「ワンチーム」で波を乗りこなす、究極の省エネ泳法だったのです。自然界の生き物たちは、流体力学の教科書を読むことなく、本能的に最も効率的な移動方法を知っていたのです。