お尻の中で「四角いレンガ」を作る驚異のメカニズム。丸い穴から四角が出る謎が解けた。
オーストラリアに生息する有袋類ウォンバット。彼らは世界で唯一、「立方体(サイコロ状)」のフンをする動物として知られています。しかし、彼らの肛門は他の動物と同じように丸い形をしています。丸い穴からどうやって四角いものが出てくるのか?そして、なぜわざわざ四角くする必要があるのか?これは生物学の長年の謎でした。
研究チームは、交通事故で亡くなったウォンバットの腸を解剖し、風船を入れて膨らませることで、腸の伸縮性を詳細に調べました。CTスキャンや流体力学のシミュレーションも駆使し、腸の中でフンがどのように成形されていくのかを再現しました。
その結果、ウォンバットの腸の最後部には、硬い部分と柔らかい部分が交互に並んでいることが発見されました。腸が収縮するとき、この不均一な硬さがフンの四隅を強く押し、まるで金型のように四角く成形していたのです。また、四角いフンは転がりにくいため、岩の上などに積み上げて縄張りを主張するのに適していることも分かりました。
ウォンバットのお腹の中には、自然界が生み出した精巧な「レンガ製造工場」があったのです。この発見は、四角いパイプや建材を効率的に作る新しい製造技術への応用も期待されています。動物のウンチの研究が、未来の産業を変えるかもしれません。